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・前月の交通死亡事故について
1.瀬戸内国際芸術祭の夏会期について
2.フィリピン・ミンダナオ大学などとの覚書調印について
3.旧県立体育館解体工事入札について
4.自由民主党総裁選前倒しに関する知事の受け止めについて
5.さぬきこどもの国 展示物の落下について
6.あなぶきアリーナ香川開館半年を迎えるにあたって
知事:
【前月の交通死亡事故について】
いつも大変お世話になります。どうぞ今日もよろしくお願いいたします。まず私から、前月の交通死亡事故についてご報告をさせてもらいます。7月の交通死亡事故、残念ながら2件発生しまして、2人の方がお亡くなりになりました。このうち7月1日の事故は、薄暮と言われる時間帯に、高松市内の市道で横断歩道がないところを、手押し車を押して横断していた高齢の歩行者が、右から進行してきた軽四貨物車に衝突されてお亡くなりになったというものでございます。同様の事故は6月にも、高松市香川町の国道で、手押し車を押して道路を横断していた高齢者が、右から来た自動車に跳ねられてお亡くなりになるという事故が発生しております。このような事故がこれまでも発生しているわけですけれども、今日お時間をいただきまして、このような事故の対策についてお話しさせていただきたいと思います。まず、歩行者側の注意点ですけれども、安全確認の徹底。特に、右から来る車、最終的な確認が要ります。手押し車の場合、特に視線が下になるということで、より高齢者の方に対して、今後とも確認の徹底をお願いしたいと思います。それから、横断歩道を利用する、これが非常に重要でございますので、横断歩道の利用を徹底する、これが2つ目であります。そして3つ目、これが大事なのですけども、薄暮の時間・特に夜間の時間は、暗めの色の服などは非常に、自分が思っている以上に運転者から見にくい状況ですので、明るい服装を夜は心がけ、また、反射材を上手に利用していただく。これまでも再三お願いをしておりますけれども、再度お願いをしたいと思います。そして、車を運転する方でございますけれども、特にこの薄暮・夜には、左右の歩行者の安全確認をお願いしたいと思います。それから速度については、止まれる速度の遵守。それと、夜間の視界確保のために、ライトをアップにするハイビームといわれるものがありますが、対向車が眩しいということで、遠慮がちになりがちですけれども、ぜひハイビームの徹底をお願いしたいと思います。マンスリーレポートをホームページにアップしたいと思います。報道の皆様にはいろいろなところで、交通事故の防止にご尽力いただいておりまして、感謝を申し上げます。また、これからも引き続き、いろいろな場面で報道等をよろしくお願いいたします。私からは以上です。よろしくお願いいたします。
幹事社:
【1.瀬戸内国際芸術祭の夏会期について】
【2.フィリピン・ミンダナオ大学などとの覚書調印について】
【3.旧県立体育館解体工事入札について】
本日3点、知事にご質問いたします。1点目が瀬戸内国際芸術祭の夏会期についてです。夏会期は、島しょ部の会場が週末を中心に混雑し、東讃会場は比較的余裕を持って観賞できる状態だと聞いています。会期の折り返しを過ぎたところで、これまでの人の流れや受け入れの体制に関する所感をお聞かせください。また、見えてきた課題があれば、お聞かせください。2点目がフィリピン・ミンダナオ大学などとの覚書の調印についてです。7月末にフィリピンのミンダナオ大学、サイセス専門学校をご訪問され、香川県講座の実施などに関する覚書を調印されました。現地の大学学校側の反応と、知事ご自身の所感をお聞かせください。また、送り出し側の大学と受け入れ側の県内企業との調整が必要になってくると思いますが、早ければいつ頃からの人材供給を期待されているのかも併せてお聞かせください。3点目が旧県立体育館解体工事の入札についてです。今月7日に、旧県立体育館の解体工事事業者を決める一般競争入札の公告が行われました。入札期間は9月2~4日で、開札日は5日となっています。仮に応札がなかった場合の対応はどのようにお考えでしょうか。また、民間の旧県立体育館再生委員会の再利用提案について、どういった部分が欠けているから「具体的な提案でない」とおっしゃっているのでしょうか。欠けている点が埋められたとしても、協議に応じない姿勢を貫かれるのでしょうか。併せて、再生委員会の提案後、県に寄せられている旧県立体育館に関する意見やメールの内容、件数についてもお聞かせください。以上になります。
知事:
ありがとうございました。今、3点ご質問ありました。1点目の瀬戸内国際芸術祭の夏会期でございます。8月1日からの夏会期も連日多くの方にお越しをいただきまして、各会場がにぎわっているところであり、大変嬉しく思います。また、春会期に引き続いて、来場者の方にはいろいろな情報を入手して、来場の平準化に努めていただいているところであります。一部の船で乗り切れないということもございましたけれども、全般的には、極端な混雑はなくできているということで、こちらについてもご協力に感謝するとともに、今のところほっとしているところでございます。全体的な流れは以上のようなことですけれども、特にこの夏会期に公開されました、さぬき市の志度・津田エリア、東かがわ市の引田エリア、そして高松港周辺のベトナムプロジェクト。この新しい3つの会場についても、たくさんの方に訪れていただいており、嬉しく思います。特に津田・志度エリアと引田エリアは21時まで、ベトナムプロジェクトは20時までということで、大変暑い期間に、比較的気温が下がった時点で、スムーズに鑑賞をいただけているのではないかと感じております。そして受け入れ体制ですけれども、特に新しいエリアについては、地元の方も初めてということで、最初、不慣れな面もありましたけれども、現在は順調に運営できているものと考えております。来場者の方には、地域の方々の食事の提供や、ご案内などのおもてなしが非常に好評であると聞いております。地域の方々には、準備、そしておもてなし、大変感謝を申し上げたいと思います。また、各報道機関の皆様も、作品や来場者のことだけではなくて、このように受け入れ体制のところにもスポットを当てていただいて、報道いただいていることに大変感謝を申し上げます。課題でありますけれども、開催前から心配されております、暑さ対策。今年の猛暑もありますが、これが今後、後半の課題でもありますし、夏会期については今後とも課題であると思います。現時点で、人が集まる場所にテントを備えたり、ミストファン、そして、日傘を50か所で貸し出す。このようなことを行っております。そのようなこともあってだと思いますけれども、来場者の熱中症の疑い事例が、数件程度であって、軽症であったということであり、大きな混乱がなく、現在のところはできておりますけれども、残り期間、引き続きこの暑さ対策をしっかりと整えて、安全に楽しく見ていただけるように努めてまいりたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。2点目でありますけれども、私が7月28日から31日までの3泊4日の日程でフィリピンを訪問しまして、ミンダナオ大学、サイセス専門学校、そして県庁と一緒に県内の経済団体で構成される香川県外国人材受入促進協議会。この3者で、相手は2つですけれども、今後、香川県に優秀な人材が、フィリピンからたくさん来ていただけるようにという趣旨で、覚書を締結したところでございます。学校側の反応ですけれども、ミンダナオ大学のギレルモ・P・トーレス・ジュニア学長と私で直接、調印もし、いろいろな懇談をさせていただきました。また、サイセス専門学校も、アムルリナ・V・レデスマ学長とも直接、覚書を調印し、いろいろな意見交換もさせていただきました。両学長から、この今回の取組み、その元になる覚書の調印に大変期待をしているということでございまして、県としても、先方側のスタンスに心強い気持ちを持ったところでございます。これから大学及び専門学校で日本語教育や、県内の状況、また県内の企業、介護施設、こういったところのご紹介をスタートするところでございます。非常に前向きに対応いただいているところでありますので、県内の経済団体とも引き続き連携して、多くの方にフィリピンから香川県に来ていただいて、就職をして、活躍いただけるように取り組まなければならないという思いを強くしたところでございます。実際の人材供給の時期でありますけれども、先ほど言いました日本語教育などの講座について、ミンダナオ大学では今月から、サイセス専門学校では10月から開始をして、この後6か月間の予定で行います。この後、香川県への就職ということが実現するということが目的でございまして、早ければ来年度の早い時期に、県内企業あるいは介護施設に新しい人材が来ていただける、これを目標に進めているところでございます。それから3点目は、旧県立体育館解体工事の入札についてのご質問がございました。まず、仮に応札がなかった場合の対応でございますけれども、その場合には再入札に向けた対応をしていくことになると考えております。また、旧県立体育館再生委員会の提案に対してでございますけれども、この提案に対する県の考えについては、これまで私もいろいろな場面で発言をしてまいりましたけれども、提案された内容は、旧県立体育館を所有して活用をする具体的な主体及び耐震対策などの安全の計画、これらが明確になっていない、具体的な提案ではないと考えており、先延ばしすることはできないものと考えております。先方から、直接、お話をしたいという申し出がある場合には、県としてお話を聞くスタンスでございます。併せて、この再生委員会の提案後に、県の方に寄せられているご意見などでございますけれども、7月18日に提案の公表がございましたけれども、8月17日時点で52件のメールがございました。また、担当課などに、10件程度の電話の照会があったところでございます。内容としましては、旧県立体育館の保存活用に向けて検討してほしいというご意見や、解体を進めてほしいといったご意見などが寄せられているところでございます。私からは以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【3.旧県立体育館解体工事入札について】
幹事社:3点目の体育館の件で、補足でお伺いしたいのですけれども、7月に協議の申し入れのようなことが向こうからありまして、8月に入ってからも追加の資料というものが送られてきていると思うのですけれども、それらを踏まえた上でも、具体的な提案、主体等、耐震に関しては、提案にはなっていないというようなご趣旨でよろしかったでしょうか。
知事:その通りでございます。提案された内容は、今の時点でも、具体に所有をして活用していく主体が特定されていない、具体的になっていないということ。安全対策についても、具体的になっていないという認識であります。
幹事社:「話し合いの要請があれば応じる」というのは、どういった場を想定してお話しになっているのでしょうか。
知事:まずは教育委員会の方でお聞きを、もし申し出があれば、したいと思います。
幹事社:それとは別に、入札の手続きというのは、これまでのスケジュールどおり進めていくというお考えに変わりはないということですか。
知事:安全対策についての先延ばしは、今の時点で適切ではないと思いますので、今の入札のスケジュールは引き続き進めてまいりたいと思います。
記者:船の体育館の解体工事の件でお伺いします。今、ご回答の中にありました「具体的でない点」についてなんですけれども、所有して活用する具体的な主体ですとか、耐震対策などの計画というのが明確になってないということだったと思います。ただ、追加資料等々を見ると、具体的に参画したいという企業、主体になり得る企業ですとか、具体的な耐震工事の手法についても再生委員会の方では提案をされているように思います。これを以て「具体的ではない」とおっしゃられているのか分からなくて、どういった判断でそれを「具体的でない」とおっしゃったのか、もう少し詳しく伺ってよろしいでしょうか。
知事:提案された内容について参画したいという方がいらっしゃる、この内容は提案がございましたけれども、実際に所有をして活用していく主体になる方は、まだこれからの提案になっているのかなという認識でおります。また、耐震についても、提案の参考資料の中にお考えが書かれておりましたけれども、具体的な耐震の対策・その他安全対策をこのようにする、ということがはっきり明確になっている、こういう段階ではないのかなという認識でおります。
記者:「具体的」というのをどの程度求めているかという話なのですけれども、主体に関しては確かに再生委員会なのか、企業なのか、それともいくつかの企業の複合体なのかとかは分からないのですが、耐震工事は、少なくとも手法ですとか、予算・金額且つこういうスケジュールで進められますというところまでの提示は出ていると思うのですが、それ以上、何を具体的に求めるべきとお考えなのでしょうか。
知事:安全対策については、やはり物理的な対策ですので、より対策内容が明確になってこないと、一番懸念している安全対策については、具体的なものとは言えないのではないかと思っています。今、いただいている内容について、物理的な観点で、しっかりとした対策内容が明確になっているとは言えない、そういう状況ではないと考えております。
記者:体育館の危険性についてお伺いしたいのですけれども、いろいろ調べて、過去の経緯を見たときに、もともとつり屋根の天井パネルの落下危険性ということから閉館に至って、その後、解体に向けて具体の話がここ数年で出てきた中で、西側の緊急輸送路の指定との関連のお話が出てきたと思います。これは、今までの会見でもそこまで聞かなかったのですが、大きな地震・災害が起きた場合に、この西側の緊急輸送の指定路にどういった影響があるというお考えから、早期の対策が必要・安全確保が必要とおっしゃられているのか、ここの想定を伺ってもよろしいでしょうか。
知事:我々の方で、建物の耐震性能について検討を行ってまいりました。その結果、懸念される南海トラフ級の地震において、倒壊の可能性が高いという結論が得られているところでございます。この状態は、できるだけ早く解消していかないといけないという、そういうスタンスであります。西側の道路との関係については、倒壊の状況にもよりますけれども、瓦れき等が西側の道路に散乱することによる通行不能ということがございます。いずれにしても、あれだけの建物、県有施設のもの、耐震性が懸念されているものの解体を、これ以上先延ばしにはできないのではないかという考えでおります。
記者:2014年当時の入札不調の状況についてなのですけれども、あの時期は東日本大震災の直後で、おそらくこの事業以外にも、資材費の高騰等々で、自治体がやる入札事業というのは各地で不調が続いた時期だと思います。現在も資材価格の高騰は続いていますけれども、2014年当時の状況とはかなり変わっている中で、今回の再生委員会の提案というのは、そういう意味でいくと、資金面の部分は少なからずクリアできるかなと取材していると思うのですけれども、その状況・前提の変更を踏まえても、再生委員会の提案というのは、現時点でやはり考慮に値しないというところになるのでしょうか。
知事:再生委員会の内容として、先ほど申しました、これを自分が所有して自分で利活用していくというような主体が明らかになっていない、ということが1つ挙げられると考えております。
記者:丹下建築の公共施設ですね、お隣の愛媛県の今治市などですと、展覧会を実施していたりですとか、観光資源の1つとしての活用を積極的に進めています。香川県の場合、丹下建築を観光資源として活用するような考えというのは現状おありなのかどうか、あるとすればどういったものなのか、伺ってもよろしいでしょうか。
知事:まさにこの県庁の東館は重要な文化財でありまして、現在も観光資源にもなっており、この丹下健三先生の作品の観光資源としての活用を今後ともしていきたいと考えております。旧県立体育館については、閉館後、様々な利活用、自らの利活用、それから他の自治体等も当たりましたけれども、利活用の計画が無いということで、また、民間のサウンディング調査でも、自分の中でやっていけるという提案はなかった。このような経過の中で10年が経過しております。地震に対する安全性も懸念する中で、これ以上の先延ばしはできないのではないかという、そういうことでございます。
記者:幹事社質問にちゃんと答えられていない部分があると思うので、もう一度伺いますが、今、おっしゃられた再生委員会の提案で欠けている点を、再生委員会側がクリアするような、新たな追加の話があった場合は、方針が変わるということはあるのでしょうか。
知事:お話はお聞きを、これからもしていくこととしております。そういう中で、今後どういうお話があるかということを仮定してお答えをするのは、非常に難しいものでございます。現時点においての判断しか申し上げるのは難しいのですけれども、現時点においては、安全確保のためには、これ以上先延ばしができないのではないかという、そういうスタンスでございます。
記者:続いて、その再生委員会からの追加資料が、知事には5日、教育委員会には事前に持っていくということを伝えた上で6日に提出されているのですけれども、それを、内容を吟味せずに回答文書を5日に送付して、7日に入札の公告というスケジュールなのですが、この入札の公告を急いだのはなぜですか。
知事:これは、以前から準備をして、放置できない、安全の確保についての準備をしていった中でスケジュールが組まれてきていたところでありまして、再生委員会の提案とは、スケジュールについての関わりはございません。再生委員会の内容についても、このスケジュールを変えるような状況のものではないのかなということで、先延ばしができない判断の中で、予定どおりのスケジュールを進めているところでございます。
記者:とはいえ、7月18日に協議の申し入れがあって、そこから状況が全く変わっていないわけではないではないですか。新しい提案があったということで。それでも予定通りのスケジュールにこだわられたように映るのですけれども、再生委員会が求めている協議に応じようとしていないように映るのですが、その辺はどうお考えなのですか。
知事:これからもですけれども、お話は聞くスタンスを続けたいと思います。一方で、安全を確保する、それを先延ばしにできないというこのスタンスも、持たざるを得ないと思っております。このスタンスの中で、再生委員会からのご提案もありますけれども、今、このスケジュールを変えて先延ばしになるような、スケジュールを変えていくような、そういう判断には至らなかったということでございます。
記者:安全性の面で倒壊・崩落の恐れということなのですけれども、再生委員会が送った追加資料の中には、構造の専門家が、直ちに全面的に倒壊したり、屋根が全部崩落する恐れは、可能性は低いという意見もありますし、西側の道路に瓦れきが散乱するようなことも、あれだけの敷地で、今、立ち入り禁止している状況の中で、果たして本当に起きるのかどうかという点もあると思うのですけれども、そのあたりいかがでしょうか。
知事:いろいろな、技術的に見識を持っておられる方は、建物の倒壊の危険性について、いろいろなご判断があるということだと思います。一方で、所有している県の方として、これまで、専門家の意見も聞きながら、この建物の安全性について検討してまいりました。その結果が、南海トラフ級の地震においての倒壊の可能性が大きいという結論に至っているということでございます。
記者:先ほど、県に、この1か月で52件のメールと10件の電話があったということで、保存活用に向けて動いてほしいという話と、解体を進めてほしいという両方の意見があったということですが、割合としてはどういうものでしょうか。
知事:全体の割合というのは、なかなか難しいところがありますけれども、多くは、保存を検討してほしいという意見が多かったと思います。
記者:もともと建築的・文化的価値が高いというところで、保存の活動はずっと10年ぐらい続いてきた中で、今回は解体費用10億円がかからなくても済むという新しい切り口での提案だったということですが、その税金の使い道についても、県民からの意見というのはありますか。
知事:直接、その52件の中に、税金との関わりがあったかどうかは、今すぐには私はコメントができないです。申し訳ありません。
記者:今、再生委員会が集めている署名も、もう3万筆集まっているということですし、「アート県」というブランディングを進めていて、他にも建築的に価値が高い建築物もある中で、こうして再生の申し出があったのに、協議を応じずにそのまま「決まったことだから」といって解体するという見え方が、果たして県のイメージにとってどうだろうか、ということについてはどう思いますか。
知事:丹下健三先生の作品で、これを残していく必要があるのではないかというご意見。これも、ご意見としては理解ができるところであります。一方で、閉館して10年、今の状態では、南海トラフ級の地震があったときの倒壊が懸念されている。これをこれ以上放置できないという、これが一番の状況。私の判断であります。そういう中で、これからも、県民の皆さんにはしっかりと、この県の判断を引き続きご説明していきたいと思います。
記者:見え方として、申し入れに県が全く応じず無視して進めたという見方になると、やはり県民にとっても、全国の人にとっても良くはないなと思うのですけれども、具体的に協議に応じる予定というのはどうなのでしょうか。
知事:お話をしたいという申し出には、県庁の方で対応していきたいと思います。一方で、安全確保の先延ばしをできないという中で、そちらについては、並行して進めていくことが必要なのではないかと考えております。
記者:入札してしまうと、もう本当に、その後どんなに状況が好転したとしても、より、なかなか変えづらくなっていくのかなと思うのですけれども。
知事:ご意見は、ずっと、門戸を開いてお聞きしたいと思います。一方で、先延ばしはできないのではないかと考えております。
【3.旧県立体育館解体工事入札について】
【4.自由民主党総裁選前倒しに関する知事の受け止めについて】
記者:私の方からは2点です。まず1点、旧県立体育館についてです。建築士の専門家の中には、民間所有で活用していけば重要文化財になる可能性もあるという指摘ですとか、あるいは同時期にデザインされた代々木の体育館、これは隈研吾さんなんかが、世界遺産に向けてという動きでやられています。そうした中で、今回、解体の方針を変えないというのは、これは県としても、あるいは池田知事としても、この決断に間違いはないという判断・お考えなのでしょうか。それが1点目です。2点目は話題が変わりますけれども、先般、自民党総裁選の前倒しの議論が各地であります。いわゆる総裁のリコール規定というものですが、香川県でも、先般、自民党県連が臨時の総裁選を求める方針を確認しました。これに対して知事の受け止め・見解について伺わせてください。よろしくお願いします。
知事:まず1点目でありますけれども、やはり閉館して10年、貴重な丹下先生の建築物でありますけれども、老朽化も日々進みますし、懸念される地震のことも懸念が大きくなってくる中で、今の状態をこれ以上先延ばしすることはできないのではないかというのが、私の判断であり、県の判断でございます。それと2点目は、今の事実関係を、私は承知しておりません。国政の方で、できるだけ速やかに、今後の政治体制については方向性を出していく必要があるのではないかなと考えております。
【3.旧県立体育館解体工事入札について】
記者:旧県立体育館についての関連なのですが、先ほどから「話を聞くスタンスというのはある」ということでした。解体するか・しないかという、そういう話ではなくて、再生委員会の人が「知事に会いたい」と言って行ったら、その面会には応じるということで、そういう理解でよろしかったですか。
知事:まず、教育委員会の方でお聞きしたいと思います。私と話すかどうかというのは、また、そういう内容を見ながら、判断していきたいと思います。
記者:可能性としてはあるということですか。
知事:もちろん、いろいろなことがありますので、これからお話を教育委員会で聞いた上で、適切な判断をしていきたいと思います。
【5.さぬきこどもの国 展示物の落下について】
記者: 8月13日に、さぬきこどもの国で、展示物の落下事故がありました。さぬきこどもの国でも開館から30年を迎えて、いろいろ、施設の老朽化もきている段階なのかなと思うところではあるのですが、現在、施設自体もリニューアルが進められているところではあると思うのですが、改めて知事の事故の受け止めと、今後の再発防止策について、何かお考えがありましたらお願いします。
知事:今回の事故でございますけれども、落下事故により負傷された方に、心より、まずはお詫びとお見舞いを申し上げたいと思います。そして、今後でございますけれども、まずは今、事故が起こったところの立ち入りを禁止にしておりまして、他の同様の吊り下げ物についての応急点検をしているところでございます。また、そのものの本格的な調査は、できるだけ速やかに行っていきたいと思います。それから、このさぬきこどもの国を含め、老朽化の施設が増えてきております。今回の事故を受けまして、他の県有施設につきましても速やかに調査をしたいと思います。
記者:他の県有施設についても、落下であるとか、そういった事故の危険性が無いようにと、観光施設とか、そういったところが対象になってくるというところですか。
知事:まずは自分の管理している県有施設について、吊り下げ物中心に点検をしたいと思います。
【6.あなぶきアリーナ香川開館半年を迎えるにあたって】
記者:2月24日にあなぶきアリーナが開館してから、今月でおよそ開館から半年になります。この週末にも乃木坂46のコンサートがあったりだとか、まだ大きなイベントが続々と来ている中で、改めて開館半年を迎えるにあたっての、これまでのあなぶきアリーナの賑わいといいますか、そのあたりの知事の所感と、今後に向けての課題等々ありましたらお願いいたします。
知事:このあなぶきアリーナの集客の力、これは非常に実感をしておりまして、アリーナが、今後とも力を発揮して、香川県のにぎわいづくりの大きな原動力になるようにしていきたいなと考えております。あれだけの集客がございますので、その集客に伴った経済効果というのも、いろいろなところで出ているようですけれども、最も顕著な形といたしましては、丸亀町商店街を始めとする中央商店街の売り上げであったり、人通りであったり、こういったものが、かなり顕著に伸びているという、こういうことがございます。今後の課題でありますけれども、1つは、よりアリーナを活かすためには、アリーナの周辺に飲食の施設があったらより快適だという声が多く寄せられてきておりますので、そういったアリーナ周辺の開発を準備していかなければならないと考えております。
記者:ちなみに宿泊施設等々に関しての受け入れ体制はいかがでしょうか。
知事:もともと、十分であるかというと、必ずしもそうでもないというのが現状であります。これから、これは民間の投資なりによって行われるものでありますけれども、いろいろな機会を通じて、この誘致に取り組んでまいりたいと思います。
記者:アリーナの開館半年に関連してなのですけれども、この半年間で知事が何か思い出に残っていることとか、振り返って記憶に濃く残っているものがあったら教えてください。
知事:まず、こけら落としとして、サザンオールスターズのコンサート等がございました。このときには全国からたくさんの方に訪れていただきまして、これが非常にアリーナの広報、香川にこういうのができたのだという広報効果として、大きな力になったのではないかというのが、1つございます。それから、特に、若い方を中心に人気のあるアーティストであったり、イベントが行われました。その時の高松駅周辺、アリーナ周辺、そして、さらに丸亀町商店街に向けての人の流れ。これはやはり、そういったアーティストの方の集客の力、そしてそれを受け入れるものがあって、こういうことができるのだなということを強く感じました。
【3.旧県立体育館解体工事入札について】
記者:船の体育館で、追加でお伺いしたいことがございます。アリーナの部分利用の停止というか、部分利用をしなくなってからだともう13年が経って、先ほどの再生委員会とのやりとりの中で「早期の安全確保」、「早期」という言葉をよくおっしゃられていると思うのですけれども、裏をとれば、もう13年近く、この耐震性の問題というのは言われてきている中で、特に最近のサウンディング型の市場調査までは大きな動きも無かったわけです。ただ、このタイミングでやはり「早期」・「早期」と言っていても、この10年間、何をやっていたのだという話で、それを「早期に急ぐ」という今の知事のお言葉と、これまでのマックス13年の県の姿勢というのが、どうしてもぴんとこない部分があるのですが、ここの部分についてのお考えはいかがでしょうか。
知事:老朽化については日一日と進みます。それから、耐震性についても、南海トラフの懸念は以前よりありますけれども、日に日に、この発生の確率も増してきているということがあると思います。今の旧県立体育館の状況を見ると、やはりこれ以上、もう少し様子を見ようというような、そういう先延ばしということは適切ではないのかなと、安全の面でですね、そのように考えているということでございます。
記者:再生委員会との協議なのですけれども、先ほどスケジュールとの関連の中で、「再生委員会との協議ということが、そのスケジュールの先延ばしをするような判断には至らなかった」というような趣旨のご発言がありましたけれども、知事の中で、やはり再生委員会との協議をスタートするということは、耐震工事の着手ですとか、解体なのか分からないですけれども、それが全て後ろ倒しになってしまう・安全確保に向けた作業というのが全部ストップしてしまうと、そういうお考えでいらっしゃるのでしょうか。
知事:所有して活用する主体も今時点では明らかになっていない・安全対策についても十分に詰まっているような提案ではないという中で、これを更に、これから検討するということになろうかと思います。これは、今の安全対策を進めるスケジュールの上では、やはり先延ばしになると言わざるを得ないのではないかと思っています。
記者:まず、その具体的な所有も含めた主体という件ですが、出資参画意向で具体的に企業名は上がっているのですけれども、その中で、どの社がリーダーシップというか、責任持ってやるのかということを明らかにせよということでしょうか。
知事:「せよ」ということはないですけれども、具体にプロジェクトを進めるというのは、この件に限らず、やはり誰かが責任者となって、主体となって所有をして活用するということが必要なのではないかと思います。そういう意味において、まだこれから参画する方はおられるというのは私も見ましたけれども、これからなのかなと考えております。
記者:1社ではなくて複数の企業があるから、逆に、どこがどうするのだ、というのが分からないということですか。
知事:そういうことではなくて、「誰が」ということが必要なのではないかと思います。1社とか複数とかということではないです。
記者:耐震対策が十分ではないということですけれども、内部の調査などをできない中で、公表されているデータの中での耐震対策を提案されていると思うのですが、実際、具体的な耐震、こういうふうに安全を確保しますというのを再生委員会側に求めるのだとしたら、それは調査とかにも入らせるべきなのかなとも思うのですけれども、そのあたりの考えはありますか。
知事:今、私たちは、安全対策の先延ばしが好ましくないという前提・考えで進めております。その中で、安全対策についてもいろいろな方が検討される。それは、今、オープンになっているデータの中でご提案されるということなのかなと考えております。
記者:実際に解体となった場合に、あの場所の跡地利用などについてのイメージというのは何かあるのですか。
知事:今の時点で具体的なものはございませんけれども、貴重な県有地ですので、これからしっかりと考えたいと思います。
記者:船の体育館の解体の予算・財政面の話なのですけれども、単純に、今、10億円程度の予算が組まれていて、今回、民間からの提案に乗ったら、ある意味その出費というか歳出が必要なくなるという側面があると思います。財政規律等々の観点からすると、民間からの提案のメリットというか魅力というのが増すとは思うのですけれども、ここについてのお考えはいかがなのでしょうか。
知事:大事なのは、県費の出費の多寡とか、出す・出さないではなくて、一番大事なのは、今の旧県立体育館の安全性を1日も早く確保するということですので、それを目的とした場合に、今、予算を組んで充当しても、先延ばしせずにこのまま進めていく必要があるのではないかと考えております。
以上
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