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満濃池が築造されたのは、今から約1,300年前の大宝年間にまでさかのぼると伝えられています。その後、度重なる決壊と弘法大師空海などによって修築を繰り返し、明治から昭和にかけては3次のかき上げ事業が行われ、昭和34年に現在の貯水量1,540万トンを誇る国内最大規模の農業用ため池となり、地域の発展を支える重要な役割を担っています。
毎年6月15日に行われる「初ゆる抜き」は、初夏を彩る風物詩として広く親しまれ、放流された最大毎秒5トンの水が下流の水田を潤し、一斉に田植えが始まります。
「ゆる」とは池の栓の事で、池の水を抜くことを「ゆる抜き」といいます。昔は木製のゆるを大人数で抜いていましたが、現在は池の中に建っているコンクリート製の取水塔の中にある水門を操作することで、取水し、農業用水路などを通じて下流のため池や田んぼなどに届けています。
当日は、梅雨晴れの中、堤防近くにある神野神社で神事が厳かに行われ、満濃池土地改良区および地元関係者の皆さまと今年も実り多き年になりますよう祈念いたしました。
続いて、堤防左岸で満開となっているアジサイをみながら取水塔へと移動し、祝詞をささげた後、満濃池土地改良区理事長をはじめ、参列者の手によって水門のハンドルが回されると、豪快な音とともに池の水が勢いよく流れはじめました。
世界かんがい施設遺産であり、ため池としては全国初の名勝指定を受けた満濃池に皆さんもぜひ足を運んでみてください。
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